東京バンドワゴンシリーズ。。。
しばらく買ってなかったら、すでに2冊も文庫本になっていたので購入。。。このシリーズは途中からビートルズにまつわる曲名が付くようになりました。
このシリーズはテレビドラマ化されていたけど、小説のほうがとてもいいですね。情景描写が小路幸也さんはとてもうまいです。
冒頭から街や堀田家の情景、登場人物の表情がすっと入ってきます。
本作では、登場人物の新たな出会いと別れが描かれており、そこにまつわる悲喜こもごもの出来事がさらに物語へと没入させてくれます。
心が温かくなる作品で毎回楽しんで読むことができます。
本作で印象に残るセリフは下記です。
「たくさんの人と出会えばお互いの色が混じり合い、自分の色が濁ってしまうように思ったりすることもあります。それで眼が曇って間違ったことをしてしまうこともあるでしょう。それでも、大丈夫です。混じった色合いは濁ることもありますが、青と黄色が交差すれば緑になるように、きれいになったりもするのです。そうやって人と人の間に色が生まれて人生が彩られていく。」
この小説は、過去にあったテレビ家族ドラマへのオマージュなのですが、こういう文章が連なって物語が構成されており、素晴らしい作品です。
次はザ・ロング・アンド・ワインディング・ロードを楽しみます。
小路幸也 著
2017年4月